エイブラハムが世界中に広げた引き寄せの法則ですが、エイブラハムは
自分の人生は自分で創造できることを知り、他者や社会のせいにしないように、
自らの創造のパワーを取り戻してもらうことを主要なメッセージとしています。

最初の学校というイメージです。精神世界については、昔から語られていますが、
その仕組みを理解する現代版の学校という感じです。

人間には自分を自分だと思っている意識があります。
それが脳を使って、考えたり、行動している自分です。
その自分は、生まれて来てから、あらゆるデータを取り入れて、自己を構築しています。
それがエゴです。見えない世界のデータは入らず、見える世界のデータで構築されてしまい、
本当の真実がわからなくなっていて、自分は一個の無力な存在だと勘違いしています。
そんなエゴに、創造のパワーについて、またソースエナジーについて伝えているのがエイブラハムです。

ですので、エイブラハムは、メンタル上でのデータの書き換え、エゴの修正を手助けしています。
これはとても重要なことですが、ここでなにもかもが完結するわけではありません。
結局、「その先」がいつか必要になります。

「その先」に進む準備ができている人はそうあまりいません。
人類の多くにとっては、エイブラハムのレベルがとても合っています。
エイブラハムから勝手に生まれてしまった人間の教え手が、だいぶ混乱を持ち込んでいますが。

実際の所、メンタル上での引き寄せの効力はどうかといいますと。
ぼくが「創造の心」と呼んでいる意図的創造のパワーですが、皆さんが思うほどではありません。
だから、全然効果がない、まやかしだと思う人がいても仕方がありません。

ぼくは引き寄せられない原因をたくさん著書のなかで明かにしていますが、
最も大きな理由は、信念がぶつかって、逆引き寄せ状態になっているということです。

日本にものすごくたくさんいる、引き寄せの法則の勘違い者は、
意図的創造がメンタル上の妄想になってしまっています。
本当の創造はメンタルを超えていかなければいけません。
意図的創造は、本当の創造とは違います。

神が本当の創造をしていますが、意図的創造はエゴがそれを真似ているだけです。
だから、本当の創造ほど万能で全方位のパワーはありません。
しかし、人間特有の、集中することでその領域を活性化させるという優れた長所をもっています。
純粋にその領域のみに意識を注ぐなら、その領域の引き寄せは活発になります。

意図的創造の厄介な点は、人のマインドは二元性に囚われていて、矛盾に満ちているところです。
マインドを超えれば、神の全的なパワーの恩恵を存分に受け取れますが、
マインドの中に囚われていると、矛盾したパワーのぶつかり合いの結果、ほとんど現状が変わることがありません。いえ、現状はころころ変わっているかもしれませんが、よく見ると、同じ問題が姿を変えているだけだと気づくでしょう。

そしてメンタルは安定していないので嘘をつきますし、虚像を創り上げます。惑わされないためには、一貫した真実を追究する姿勢が求められます。
エイブラハムの引き寄せの法則は真実の結晶ですが、そこから人間たちによって虚像が生み出されました。仕方のないことではあります。人間たちは虚像のゲームに興じていたいのです。

しかし、IT社会によって、とてつもない規模に広がった引き寄せの法則のおかげで、
無力感の牢獄から脱した人や、「その先」に進む人もたくさん生まれたことでしょう。
21世紀、人間たちの意識レベルが急上昇したことは間違いありません。