ウルフ・オブ・ウォールストリートとジョーダン・ベルフォート

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    ウルフ・オブ・ウォールストリート

    レオナルド・ディカプリオ主演の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を観ました。
    こんなとんでもない話をよく創ったなと思ったら、実話を元にしていたと知って驚きです。

    はちゃめちゃに栄華を極める人って、ホント決まって転落しますね。
    ドラッグとか売春婦数十人集めて船上パーティーとか、わけわからない光景です。

    普通の人が観たらお馬鹿な人たちのコメディにしか見えないんですけど、
    なんか考えさせられるものがあるようです。

    絶頂的に楽しかったら、こんなに引き寄せちゃうのかなぁと思いますし、
    エゴ全快で精神的な高みを目指さず、物理的身体的な快楽ばかり追求したら、
    結局全てが急速に消えていくのも、この世の法則だなぁと思います。

     

    面白いのは、モデルとなったジョーダン・ベルフォートは、
    現在、講演家(モチベーショナルスピーカー)になって、
    アンソニー・ロビンズみたいな活動している点です。

    マーティン・スコセッシ監督の最後の描き方が面白くて、
    お金を儲けたい、自分の人生を変えたいというセミナー出席者が
    ものすごい期待と尊敬のまなざしでみんなジョーダン・ベルフォートを見ているんですよね。

    かつてゴミみたいな連中集めて爆発的に成功したとき、
    最初、連中にペンを差し出して「このペンをおれに売ってみろ」といい、
    一人が「今すぐ自分の名前を紙に書いてくれ」といったのです。
    つまり、ペンを必要にさせたのです。

    その質問を、セミナー出席者にぶつけたら、みんなペンを一生懸命褒めて
    素晴らしいと伝えることで売ろうとするんです。
    ディカプリオは、ペンを褒め始めたらすぐにペンを奪って、隣の人に差し出し、同じ質問をします。

    セミナー出席者には、荒々しいほどの金を生み出す創造性はないわけです。
    セミナーに来てる時点で、他人頼りだったり、意志力が低かったりするので、
    それもそうですよね。彼らは、いいカモとなって、ジョーダン・ベルフォートの
    金稼ぎの対象となっているわけです。
    昔、クズのペニー株を買わせたみたいに。

    自己啓発セミナーって、そういうところあるなと思うんですよね。
    アンソニー・ロビンズやジョーダン・ベルフォートを否定しているわけではありませんが、
    おいしい金儲けの対象は、世の中ごまんといることでしょう。

    マーティン・スコセッシは、皮肉的であり、風刺的であり、思い切り派手に、コミカルに描いています。

     

    ホリエモンを思い出した日本人も多いでしょうね。