わたしたちはつくづく過去に囚われているな感じます。
2016年になって、「時が経つのは早いな~」と思うのも、
2015年や2014年という過去を参照するからです。
2017年や2018年の視点から見れば、そんなことは思いません。

エゴというのは、過去のデータの産物ですが、
わたしたちは頻繁に過去のデータに基づき判断し、行動し、感情が動きます。
「遅刻して大失敗してしまった。もう二度と繰り返さないようにしよう」
というのも、遅刻はいけないとか、信頼を勝ち得る自分でありたいと、
過去のデータに基づいてそう反省するわけです。

「恵まれない子供たちのためにアクションを起こそう」
と、素晴らしいことをいっている裏でも過去があります。
恵まれない子供たちのことを知ったこと、助けてあげたいと思ったこと、
そう思う性格が形成されたこと、助けることを目標にしたこと。
無数の過去のデータに基づいて、そう思うわけです。

なんだか、ものすごく大量の過去を背負って生きている感じがしますね?
この大量の過去が、しばしばあなたを苦しめていることでしょう。
「なんでうまくいかないんだろう」
「なんで失敗を繰り返してしまうのだろう」
「なんで今パートナーがいないのだろう」
「世の中腐っている」
「いつも金欠で苦しい」
こういった言葉は、過去を参照するから思うのです。

キリストが「奇跡のコース」で、とても信じがたいことをいっています。
「こういいなさい。『私はなにも知りません』」と。
私は何も知らず、何も目標を持たず、何も決断しない。

びっくりする言葉なので、読み飛ばすか、曲解するかではないでしょうか。
ぼくも昔、「随分極端なことをいうな」と思ったものです。
たくさんの自己啓発やコーチングの名著でいわれていることは、
知識を蓄えること、目標を持つこと、どんどん決断し行動することです。
全くの真逆なわけです。

 

しかし、ぼくは『私は何も知りません』はとてもとても深い言葉だと改めて思います。
なぜなら、過去を完全に手放す宣言だからです。
過去のデータを一切信用せず、放棄するといっているのです。
100%エゴからの解放を意味します。

「奇跡のコース」を勉強してきた方は、このことに気づいていたでしょうか?

過去を手放すと、未来が消滅します。
なぜなら過去のデータに基づいて、夢・目標を決め、自分の生き方を決めているからです。

この『私は何も知りません』という言葉によって、
過去と未来が消滅しました。
残るのは「今」だけ。

すごい言葉です。

時間すらも消滅してしまいました。

 

ぼくは正直『私は何も知りません』を素直に実践できません。
「私は知り尽くしています」人間なのです。
それだけ学んできました。

しかし、キリストは「しばらくの間、なにもかも忘れてみてください」といいます。

せめてしばらくの間。
背負っている大量の過去が重くて苦しくなってきたなと感じたら、
『私は何も知りません』の魔法の言葉を唱えてみます。

楽になってきて、目の前の今が新鮮に感じられてきます。

 

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